2024.02.07   ブログ

軽トラック幌の車検時の対応について

こんにちは、店長の安田です。

トラックに幌を取り付けられている皆さんは車検の時、どうしているでしょうか?
今回は軽トラック用の幌を取り付けた車両が車検を受ける際の扱いについてお話ししてみようと思います。


車検時における構造変更が必要な要件


一般的に車が車検を通す時には車検証に記載の寸法と違いがないかというのがチェックされる項目の一つになります。具体的には車の幅が2センチ、全長が3センチ高さが4センチ以上の増減がある場合には構造変更の対象となってきます。また寸法の他に車両の重量が軽自動車なら50キロ以上、普通車なら100キロ以上の増減がある場合にも同様に構造変更が必要です。

しかしながら、車に取り付ける様々なパーツで車の外寸や重量に影響するものも思い浮かぶのではないでしょうか?

この件については国土交通省の通達で指定部品に分類される部品については固定的取付方法、つまりボルト、ナット、接着剤などでの固定であれば上記の寸法の範囲を外れても構造変更が必要ないという事になっています。

この指定部品として明記されている部品は様々ありますがエアスポイラーやショックアブソーバー、ルーフラックやトレーラーのヒッチメンバーなどが指定部品の一例です。これらの指定部品は装着することで寸法などに変更が生じても構造変更は必要ないという事になります。

しかしながら固定的取付方法ではなく、恒久的取付方法に分類される溶接やリベットでの固定では構造変更が必要になりますので注意が必要です。


軽トラック幌の車検時の対応について


さて、それでは本題の軽トラック用の幌はどうなんでしょうか?
軽トラックの幌は所有者にとっては欠かせないもののように思いますが国土交通省の定義する指定部品の中にはどこにも記載されていないんです。つまり、軽トラックの幌を取り付けて「ボルトで固定した場合」には車検は通らないというのが結論になります。

したがって、当店で販売しているラクホロシリーズについても同様でどの幌に関しても「車検対応です!」と言える幌は残念ながらありません。

では、幌を取り付けているトラックは構造変更をするか、車検の度に取り外さなければならないと思うかもしれませんが、実はもう一つ車検の際に取り付け方法の解釈が存在します。それが「簡易的取付方法」というものでこの簡易的取付方法には手で容易に取り外せる蝶ネジやクリップなどがそれに当たります。

簡易的取付方法に分類されるような蝶ネジやクリップで固定したものに関しては積載物として判断します。つまりトラックの幌に関しては蝶ネジで固定して積載物として扱ってもらう事で、取り外さずに荷台に載せたまま検査を受けるという方法は認められることになります。

昔からある幌馬車形状の幌車の場合はアーチ状のパイプをボルト固定せず、抜き差しできる状態にすることで積載物と判断させているなど工夫して作られています。当店のラクホロシリーズについても車両から飛び出す部分の部品を蝶ボルトで固定することで簡易的取付方法による積載物とみなし荷台から下ろすことなく車検を受けて頂けるように作られています。

車検時に不安のある方は、蝶ボルトでの固定である旨を整備業者の方にお伝え頂き事前に確認をして頂くのが良いかと思います。ぜひ、車検に際しての参考にして頂ければと思います。


法令で認められる積載物の高さに注意!


最後に注意が必要なことですが積載物について法令を見た場合、積載物の高さ制限が地上高2.5mと規定されている為、背の高い幌を作って欲しいというご要望を頂くことがございますが、地上から2.5mの範囲に収めるためには概ねですが荷台の上からですと1.8mが限度となりますのでそれ以上の高さの軽トラック幌は法令違反という事になってしまいます。

また、それを避けるために構造変更を申請すれば問題はないのですが、そもそも軽自動車と規定される車両の寸法の範囲は幅1.48m、全長3.4m、高さ2.0mまでとなっている為、高さをオーバーした幌を構造変更すると軽の黄色ナンバーではなく白ナンバーになってしまいますのでこれも承知しておかなくてはなりません。

さて、今回は軽トラック幌の車検時の解釈について話しましたが、軽トラックの幌って指定部品にも認定されず積載物として解釈するしかないなんてちょっと残念に思うのですが国土交通省の方で何とか指定部品に選定して頂けないんでしょうかね。大勢が声を上げないと実現しないような話だとは思うのですが、そんな風になったら嬉しいですよね。

どうもありがとうございました!

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